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Viola Dream II
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午前0時にレンタカーで横浜市内の自宅を出発。長後街道から小田原厚
木道路を通って箱根、須走を経由して富士急ハイランドの駐車場に2時半過 ぎに到着。バスで北麓公園に着いたのがちょうど3時。ここで仮眠する予定 でしたが、体育館の床が冷たくて断念。軽いストレッチや足のマッサージを してスタート15分前まで過ごしました。4時に118kmのランナー、4時半に 100kmの部の1ブロック目がスタート。私は4時45分、快晴の空の下に聳え立 つ富士山を見ながら、2ブロック目の最前列でスタートしました。
夜明け前でもう明るくなってきたグラウンドを一周してから、最初の目的
地、山中湖へ向かいます。少し寒いかなと思ったので、いつものようにごみ 袋カッパを着用。体が早く暖まるように少し速いペースで走りました。走り始 めて15分、3ブロック目のスタートの声が聞こえてきます。何だか眠い。そり ゃそうでしょう、前日の土曜日は昼食後と夕食後に合計3時間寝ただけで す。閉じそうになる目を堪えながら、走り続けます。
山中湖は気温5℃で、手がすっかり悴んでしまいました。今日は暑くなると
いう予報なのに、とか思いながら走ります。足の調子は悪くないようでした。 心配した内腿付け根の痛みも感じません。木々の間から時折朝日が眩しく 差し込むのを見ながら、今日は夏日の予想だったので、涼しいうちに距離を 稼いでおく作戦で行くことに決めました。これまでの経験では40kmまでは抑 えた方が最終的には早くなるのですが、今回は勝負に出ます。17.4kmでご み袋カッパを脱ぎ、冷え防止でお腹に巻いていたタオルを後頭部と首を覆う ように着用。気合を入れます。
30kmまではほぼサブテンペース。40kmは上り坂で少しペースダウンした
ものの、河口湖畔を走る50kmでまた少しペースアップ。続く西湖、精進湖を 走る60km、70kmは食事を取ったりしたのでラップタイムは遅くなりましたが、 実際のペースはそれほど落としていません。80kmを9時間掛からずに通過。 このまま頑張れば11時間半を切れるかもしれません。コース上で時折見か ける温度表示はしかし、確実に気温が上昇していることを示していました。 25℃。両足の筋肉に痙攣の兆候が出てきました。
80.6kmの西湖公民館の関門を出てまもなく、右のふくらはぎが強く痙攣。
沿道で応援してくれている人の中に冷却スプレーを持った人がいたので、お 借りしようと立ち止まりました。次の瞬間、右足のふくらはぎと太股が同時に 攣ってしまい、その場に転倒。何とか抑えようとしましたが、今度は左足の ふくらはぎと内腿が攣る始末。両足の太腿、内腿、ふくらはぎと向う脛が一 斉に痙攣し、数分間のた打ち回りました。
その場にいた人にも助けてもらって何とか痙攣を抑えて立ち上がったもの
の、満足に歩くこともできませんでした。塩分補給も考えながら食事や水分 を摂取してきたつもりでしたが、気温が上がって発汗量が増えたことに加 え、昨日のお昼に下痢で脱水状態になったことも影響しているようです。あ と20km弱。このままゆっくり歩いてゴールを目指すか、それともしばらく足を 休ませて回復を待つか。リタイアは無しね、と自分に釘を刺します。後から 考えると、寝不足と疲労とそして軽い熱中症でちゃんと頭を使って考えるこ とができていなかったように思います。取った選択肢は、とりあえず次のエイ ドまでゆっくり歩く、でした。後ろから来るランナーに次々と抜かれて焦る気 持ちを抑えながら、照りつける太陽の中、ゆっくり歩みを進めます。止まらな い汗。絶えず痙攣し続ける足。
それにしても、何故得意の早歩きができないんだ? これまでのウルトラ
マラソンでは足の筋肉が攣っても早歩きで対応できたはずが、どうしたこと か今回は全くそれができません。西湖の湖岸で大きな石に座り込んだ私 は、黙って自分の足を軽くマッサージ。もう歩けないかも…。
だったら、走れば? 小さなペットボトルに少しだけ残っていた水を飲み干
し、そっと立ち上がりました。走れ。さあ、走れ! 最初の数歩はよたよた と、それでも小さな歩幅で進むうちに遅いながらも走ることができました。富 士山が目の前に見えてきました。
94.8km、最後の関門にたどり着いたのが16時3分前。ここからまだ3kmほ
ど坂を登って行きます。もう走る元気は残っていませんでしたが、足が攣ら ない程度で精一杯早く歩きました。林に囲まれて富士山は見えなくなり、周 りの人もほとんどが歩いていました。あと少し、あと少し。98.4km、最後のエ イドで水を一口。下り坂になったので、周りのランナーが走り始めます。私も 最後の力を振り絞って走りました。
ゴール会場に入ると自分の名前がコールされるのが聞こえました。会場
の裏手を抜けると、ゴールが見えます。目標にしていた12時間を2分弱過ぎ てしまいましたが、私にしては珍しく、両手を挙げてゴールイン! 次の瞬 間、「津田さーん!」と声が掛かってびっくり。今日は一人で来たので応援は いないはずですが…。
声が聞こえた方を振り返ると、同じ会社のOGWさん。そう言えば彼女も参
加すると聞いていましたが、え、何でもう着替えてるの? ウルトラマラソン 常連のOGWさんですが、今回は残念ながらリタイアされたとのこと。富士山 を背景に写真を撮ってくださいました。これは本当に、とっても嬉しかったで すね。OGWさん、ありがとうございました!! ![]()
疲労困憊の私は完走証の発行場所を探してうろうろ、荷物も受け取らずに
バスに乗ろうとして慌てて会場に逆戻り。レンタカーに辿り着いて出発した のは18時少し前でした。来るときにセットした目的地=富士急ハイランドに 行ってしまうというミスをしてから、ようやく帰路に着いた私でしたが、やっぱ りウルトラマラソンの日帰りはお勧めできません。体中が痛くておまけに眠く て大変でした。20時半少し前に戸塚駅前のレンタカー会社に到着。自宅ま では徒歩15分の距離でしたが、ほぼ2倍の時間が掛かって21時前の帰宅。
会場を出るときに温かい豚汁を1杯食べただけでお腹はぺこぺこ。妻が用
意してくれた夕飯のおいしかったこと!
食後に入浴。文字通り汗まみれ埃まみれの体を洗い、湯船に浸かって、
「痛いっ!」 脇腹のウエアずれはいつものことですが、太腿とふくらはぎが 日焼けで真っ赤になっていました。そう言えば、今日は全国的に夏日、富士 五湖も例外ではなかったようです。私は今回、ランパン(灰色)を除いて帽子 からシューズまで黒で統一していましたが、Tシャツとアームカバーは塩でま だら模様になっていました。ま、足が攣ったりするはずですな。
水曜日。階段もゆっくりなら上り下りできるようになりました。筋肉痛はほ
ぼ解消されましたが、右のふくらはぎにまだ腫れが残っています。80km過ぎ で攣ったときの痛みの記憶がよみがえってきました。もう1か所、左の足首 がひどく痛みます。よく見るとくるぶしの下が腫れていました。そう言えば後 半、歩道の段差か何かで左足を捻ったような記憶があります。その時は何 ともないと思ったのですが、走っているときは必死でしたし、終わってからは 足全体が痛くて気が付かなかったのかもしれません。
下段左の写真は今回履いたシューズ、ミズノのWAVE AERO 16 WIDEで
す。真ん中が参加賞のTシャツ。他のランナーの評価通り、あまり格好の良 いデザインではありませんね。右端が完走メダル。これはデザイン、ずっしり した質感ともにGOODです! ![]() ![]()
https://ss295031.stars.ne.jp/
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