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Viola Dream II
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大会前日。羽田空港から高知空港へ向かう飛行機は20分の遅延。最近は
羽田空港発着便の遅延が常態化しているので、想定の範囲内です。16時 過ぎに空港のレンタカー受付で名前を伝えると、予約が入っていないとのこ と。もしや予約日を間違えたかと慌てましたが、スマホで予約を確認すると 間違いありません。受付の女性とスマホの画面で予約内容を確認していくと …。何と出発地が松山空港! ここ、高知空港ですけど? 何で?! あり 得ないミスですが、現実・・・。幸い小型車が1台手配できたので、何とか四万 十市へ向かうことができました。
さて翌日。10月20日、日曜日。前後はずっとぐずついた天気なのにこの日
だけは晴れ。気温は17-26℃でちょうど良いくらいです。5時半、雲間から時 折月が顔を出す中、第30回四万十川ウルトラマラソンがスタートしました。
一昨年の「星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」、昨年の「い
わて銀河ウルトラマラソン」ともに30q前後で左膝が痛くなって走れなくな り、残り65-75qをほぼ早足で完走しました。このため、今回は前半、左膝に 過度な負担がかからないようゆっくり走ることにしました。20q、30qは無事 に通過しましたが、40qの手前から、左膝に痛みが出てきました。最初は痛 みが強くなると早足にし、痛みが薄れると走るようにして対応しましたが、50 qを過ぎるとほぼ走れない状態になりました。前半抑えて走った分、時間の "貯金"も無し。毎度のことですが、またしても大ピンチ。しかし、もう100qマ ラソンもこれで13回目の挑戦。この程度のことは想定の範囲内。とは言え、 50qの通過は11:22。四万十川ウルトラマラソンは今回で3回目ですが、17 年前の1回目(ウルトラマラソン初挑戦)、9年前の2回目(当時のベストタイ ムを更新)、のどちらと比べても30分近く遅いタイムです。せめてウルトラマ ラソン初挑戦時の私には勝ちたい。諦めずに前進、前進、前進です。
時間的余裕が無い中、まず給水に気を付けました。なるべく給水量を少な
めにしてトイレに行く回数を削減。エイドでの給水と給食もなるべく短めにし ました。椅子のある所では座っての飲食&膝周りのマッサージとアイシング をしましたが、これも食べ終えたら即前進再開。61.5qのカヌー館でも15分 間の休憩を計画していましたが、7分に短縮。おかげでゆずゼリー、栗羊 羹、ぜんざいを食べ損ねました・・・。
もう一つが、周囲のランナーへの積極的な声かけです。痛みから意識をそ
らす目的と、一緒に戦っている(それぞれが自分と戦っているとの意味)ラン ナーと励まし合うことで気持ちを高めることが狙いです。私が膝の痛みに耐 えかねて早歩きを止めて普通に歩こうとしたら、後方にいた若いランナーか ら大きな声で、「歩いてはダメです、頑張りましょう!」と声をかけてもらった ケースもありました。その人はこれまで10qしか走ったことが無いのに、100 qに初挑戦とのことでした。私もハーフマラソンまでの経験しかない状態で 100qに挑戦したこと、初めての100qマラソンがここ四万十川ウルトラマラ ソンだったことを話しました。そんなことを話しながら並走する内に私はすっ かり元気になり、その後しばらくは走り続けることができました。この若い男 性に感謝!です。また、珍しく女性ランナーから声を掛けられたケースもあ りました。若い人で女性としては身長もそこそこ高い人でしたが、上り坂で 私が膝の痛みに耐えられずにスピードダウンしたところで並ばれ、「足が長 いと絶対得ですよね!」と。私の早歩きは身長を生かした大股歩きなのです が、それをずっと後ろから見ていたようです。折角声を掛けてもらえたので、 しばらくおしゃべりしながら並走。すぐ前にいたもう一人の女性ランナーも加 わってのランニング談義。この時も給水所までは膝の痛みをほとんど忘れ ることができました。
さて、ウルトラマラソンの楽しみの一つが、食べ物、です。今回もいくつか
楽しみにしているものがありました。まず41.8qのブルーベリー。なんと半分 凍らせたものが提供されました。これは嬉しい! 左膝の痛みでまともに走 れなくなった後でしたが、気分がスッキリしました。次が61.5qのカヌー館の ゆずゼリー、ゆず羊羹、栗羊羹、ぜんざい。これは先に書いた通り、休憩時 間短縮で食べ損ねました。あぁ、食べたかった…。79.5qのエイドには筏羊 羹なるものがあったようですが、ここも早く80qを通過したかったので羊羹 の存在に気が付かず…。あぁ、なんで見逃したのか…。絶対85.2qではツガ ニ汁を食うぞ!と心に誓って前進。そして、16時過ぎ、85.2qのエイドに到 着。小さな紙コップに温かいツガニ汁。うまいっ! お代わりお願いしま す!! うまいっ!!! 残り時間は3時間と少し。初ウルトラの時より40分 も遅い…。しかし、ツガニ汁で心が回復した私は、目標を「19時までに完 走」、に切り替えて、残った力を振り絞って前進です。
少し時間を前に遡って、82qくらいを進んでいた時のこと。夕暮れが近くな
り、一層静かに流れる四万十川を右に見ながら左膝の痛みに耐えて前進し ていると、突然、「津田さん!」の声が。私がウルトラマラソンを始めるきっか けをくださったtndさんでした。今回はtndさんの奥様が60qの部に参加され ていました。当初の私の計画ではとっくに抜き去っていたはずですが…。「ど のくらい前を走ってらっしゃいますか?」と訊くと、「7分前!」とのこと。という ことは、せいぜい1qしか離れていないのね。よし、追いつくぞ!と気持ちを 高めました。もう歩いても制限時間内にゴールできることはわかっていまし たが、19時までにゴールするとの目標とtndさんの奥様に追いつくことを新 たな目標として、全力を尽くします。でも、走れないのでひたすら早歩き。そ れにしても、ちょっと不思議。走れないほど左膝が痛いのに、早歩きならほ とんど痛みがありません。ただ、競歩のようなペースで"歩く"ので、左足の 太もも裏と付根あたりに強い痛みが出てきました。速度を維持するため、呼 吸も目いっぱい。肺と喉が熱くなっているのを感じます。それでもこれまで通 り、私は常に全力を尽くすのみ、です。
88q付近だったと思いますが、やっとtndさんの奥様を発見。少しだけ並走
して言葉を交わした後、ゴールで会うことを約束してペースアップ。先に書い たように、これで3回目の四万十川ウルトラマラソンですが、いつも最後の10 −20qは沿道の皆さんが「お帰りなさい!」の声を掛けてくださいます。これ って、すごく心に沁みるんですよね。声が掛かるたびに涙がこぼれそうにな ります。1年に1度、全力を出し切って頑張ると、自分自身が生まれ変わるよ うな気がします。
90qを通過。残りが1桁になると、俄然元気が出てきます。早歩きなので1
q進むにもかなりの時間を要しますが、歯を食いしばって19時までのゴール を目指しました。あと2q。いつもここからが妙に長い…。本当に2qなの か? ぼやきながら一歩一歩前進。ゴールのある中村中・高等学校の敷地 に入ると幅5mほどのコースの両脇に大勢の応援が。見ず知らずのランナー を、皆さん笑顔で祝福してくださいます。最後のコーナーを右へ曲がると、ゴ ールテープが見えました。できるだけ多くのランナーがゴールテープを切っ て終われるように、2本のテープを用意して学生さんたちが繰り返しテープを セットしてくれていました。18:53、何とか19時前に完走。
すっかり日が暮れて気温が下がってきていたので、大急ぎでランニングウ
エアの上からジャージを着てゴール会場に戻りました。そこにいるはずの tndさんを探していると、奥様の名前がコールされ、画面上にその姿が映り ました。レンタカーにはカメラを積んでありましたが取りに戻る時間は無く、 せめてスマートフォンで撮影しようとゴール前に向かいましたが、大勢の人 で良く見えず、奥様がゴールした瞬間を撮影できませんでした(申し訳ない …)。それでもtndさん、奥様と合流でき、表彰台で記念撮影。翌日のお昼に 食事する約束を確認し、解散しました。
写真は今回履いたミズノのウェーブライダー26。昨年の「いわて銀河ウル
トラマラソン」完走に続き、今回で2大会完走。まだほとんど傷んでいないの で、来年も履けそうです。
完走メダルはなかなか凝ったデザインですね。参加賞のTシャツは、うー
ん微妙な色。個人的にはもっと薄い生地の方が好みです。 ![]() ![]()
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